サービス業のやりがいとは?『新幹線お掃除の天使たち:遠藤功』「世界一の現場力」はどう生まれたか?

新幹線お掃除の天使たち サービス
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今日は遠藤功さんの『新幹線お掃除の天使たち』についてです。
・またお客様から怒られた。
・なんでうちの会社のサービスはこんなに悪いんだ!
・今週何回経緯報告書出してるんだー!!!
と、自社のサービスレベルを上げたいと思っている方におすすめの一冊です。

「目次」新幹線お掃除の天使たち

プロローグ
なぜ新幹線の車両清掃会社がこれほど私たちの胸を打つのか?
「お掃除の天使たち」が働く会社
提供するのは「技術サービス」
「最強のチーム」との出会い
魅せる清掃
礼に始まり、礼に終わる
女性がイキイキと活躍する会社
知恵を生む現場

第1部
「新幹線劇場」で本当にあった心温まるストーリー
エンジェル・リポート
真っ赤なプライド
ピカピカのトイレ
酔っぱらいの簀巻き
わたしの仕事はおかあさん
グレーのハンチング帽
がんばるぞ!日本
駅の中の接客業
見送りはわたしが
赤ちゃんの靴下
お命、預かっています
新幹線の運転士からお掃除へ

第2部
「新幹線劇場」はどのように生まれたのか?
「最強のチーム」が誕生する2500日の物語
「地ならし」のための600日
変革の「芽」を育てた1100日

おわりに
リスペクトとプライド

お掃除の天使たち

新幹線の車両清掃をしている会社が数多くのツイッターでさかんにつぶやかれているのをご存じでしょうか。
「清掃員の早技スゴ過ぎ!」
「新幹線の清掃隊かっけ!」
などのつぶやきを集めるのは鉄道整備株式会社、通称「テッセイ」です。

この本はテッセイで働く「お掃除の天使たち」を通じて、「仕事」とは何か、「よい会社」とは何か、「最強のチーム」はどのように生まれるのかを考えるヒントになればという想いで世の中に出てきた本です。

テッセイで働く天使たち

「お掃除の天使たち」が1日に清掃を行う車両本数は約110本。
車両数は約1300両にも上ります。
業務シフトは早番と遅番の2交代制。
始発の6時から最終の23時までを1日11組が担当します。
1チームの基本構成は22名。
各チームは多い時には1日約20本の車両清掃を担当します。
従業員数は正社員、「パートナー」と呼ばれるパート社員を含め約820名。
平均年齢は52歳の会社です。

新幹線が東京駅で停車しているのはたった7分間。
その7分間の間に、全車両の清掃を終え、気持ちよく新幹線を送り出すのがミッションです。

礼に始まり、礼に終わる

テッセイの仕事は新幹線の清掃をすること。
だから、清掃だけきっちりやればいい。
そんな風に思う人がいても不思議ではありません。
しかし、「自分たちの仕事は清掃だけではない。お客さまに気持ちよく新幹線をご利用いただくことだ
と、みんなが理解し、納得したときにテッセイの現場は大きく変わり始めたのだとか。

ツイッターでつぶやかれている、帽子についている桜の花や鯉のぼりも「お客様に季節を感じて欲しい」という現場の発案から生まれました。
「全員経営」を目指しているテッセイは、現場から知恵やアイディアが生まれる「知恵を生む現場」を実現しています。

エンジェルリポート

平成19年の4月からエンジェルリポートという取り組みが始まりました。
エンジェルリポートは現場スタッフ一人ひとりの行動を把握している現場リーダーである主任たちが作成します。
当初は何を褒めたらいいのかと、戸惑う主任もいましたが、開始して4年目の平成22年度は、2600件のリポートが報告されました。
対象者は564名にもなり、7割以上のスタッフが対象者に選ばれました。
「スタッフのよいところを探し、褒めてみんなに共有する。」
ただそれだけの事ですが、それが意外と難しい。
そして、「誰かが見てくれている、気づいてくれている。」という事実が、現場のスタッフのやりがいにつながっていきました。
この本で紹介されているエンジェルリポートの中には涙なしでは読めないような感動的な話も掲載されています。
涙もろい僕は1つ目の「真っ赤なプライド」の話から涙ちょちょ切れなのでありました。

まとめ

テッセイという会社はいたって普通の会社です。
JRから清掃の業務を請け負った、いわゆる、「下請け」の会社です。
こういった会社でも経営の努力次第で現場がイキイキと働ける。
テッセイはそのお手本を示していると言えます。

テッセイという会社の輝きを根っこで支えているのは「リスペクト」と「プライド」です。
経営陣や管理職たちの現場を「リスペクト」する気持ちが現場に伝わり浸透しているからこそ、現場の人たちが「プライド」をもって意欲的に仕事に取り組めるのです。
表面的な施策だけを真似してもきっと上手くいかないでしょう。
「うちの会社の経営陣達にも読ませたーい!」
そんな気持ちになる一冊でした。

今日のあなたへの質問
「現場力を上げるためにあなたができる事はなんですか?」
少しでも参考になったら嬉しいです。
それでは今日もご機嫌な一日を!

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