Z世代を理解するなら『Z世代マーケティング:ジェイソン・ドーシー アンド デニス・ヴィラ』書評

Z世代 ビジネス
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今日はジェイソン・ドーシー アンド デニス・ヴィラさんの『Z世代マーケティング』についてです。
・Z世代ってなに?
・今どきの若者の事を理解したい
・Z世代ってどんな事を考えてるの?

と、この本は、今どきの若者、Z世代について知りたい方におすすめの一冊です。

Z世代とは?

Z世代とは1996~2012年に生まれた人たちの事を指します。

Z世代1996~2012年生まれ
Y世代1977~1995年生まれ
X世代1965~1976年生まれ

元々はアメリカから伝わった世代分類を表す言葉で、ジェネレーションZが日本に伝わり、Z世代(ぜっとせだい)という言葉が拡がりました。
Z世代の割合が世界の人口の32%と増えてきた事、アメリカでは既にY世代よりも人数が増えてきている事から、Z世代の特性や心を掴む事がこれからのマーケティング活動では非常に重要になってきます。

【世界】
Z世代:32%
Y世代:31%

【アメリカ】 
Z世代:6100万人
Y世代:6000万人

世界やアメリカに比べ、日本のZ世代は1886万人と全体の15%程しかいないので、まだアメリカほど、Z世代中心の世界にはなっていません。
しかし世界はZ世代中心の価値観に移り変わっていっています。
Z世代の価値観を理解していかないと、これからの時代で勝ち残っていけないと言っても過言ではないのです。

Z世代の特徴

①スマホしか勝たん
Z世代の55%が1日5時間以上スマホを見ています。
紙の新聞を読んだ事がない。
e-mailなんか使った事がないという人が大半です。

②プラットフォームの使い分け
Z世代はTVを見ません。
見るのはもっぱらSNS。
SNSと言うと、Instagram/Twitter/Youtube/TikTok/Facebookなどが思い浮かびますが、
Z世代はYoutubeを見ながら勉強をします。
何か共有したい時はInstagramを使います。
そしてFacebookはお父さん達がやるものと考えています。
やりたい事によってどのSNSを使うかも決まっているのでこの辺りも理解しておかないと、Z世代に的確なメッセージを伝える事はできません。

③キャッシュレス
Z世代は財布を使いません。
Z世代にとってのお金とはスマホのアプリに入ったデジタルの数字です。
「レシートをもらって家計簿つけてます」なんて言ったら「なんでそんな面倒くさい事やってるの?」と、理解ができないのがZ世代です。

Z世代へのアプローチ方法

①パーソナライゼーション
Z世代は個別化(パーソナライゼーション)が大切です。
アマゾンや楽天での購入履歴に応じたおススメ商品が提示されるのが当たり前のZ世代は、パーソナライズ化されたサービスでないと満足できません。
個人情報を企業に取得される事に対しては怒りませんが、反対に今までのようなマス広告に対しては全く興味を示しません。

②社会正義
Z世代は気候変動やダイバシティに対してしっかり考えていない企業を嫌います。
表明しない事すら嫌います。
表明しない事をズルいと感じます。
「うちの会社は気候変動やダイバシティに対してこういう風に考えてます」
と、しっかり言えない企業は信用されません。

③品質や価格に厳しい
商品に対する情報は全てネットで手に入れられるようになりました。
Z世代はレビューを見て、実店舗で実際に見て、アマゾンで商品を買います。
「お店に実物を見に行って、アマゾンで買うなんてお店に対して失礼だろ!」
と、Y世代なら感じますが、Z世代にはそういった感覚は存在しません。
安ければ買ってくれる訳ではありません。
安くて品質がよいものではないと、Z世代に見向きもされないのです。

④スマホファースト
Z世代は商品を買う時も調べる時もいつも手にはスマホがあります。
スマホで見た時に見やすいUI(ユーザーインターフェース)。
スマホで買う時にストレスなく買える。
安くていい商品なのは当たり前ですが、それを手に入れるための情報がスマホでストレスなく取得できる商品やサービスでないと、これからは選ばれないのです。

ブランドが追及している価値

Z世代が一番信じているのは親や友人の口コミ。
そして次に信じているのは信頼しているブランドです。
ブランドがどんな価値を追及しているかが最も大切だと考えます。
『シングルマザーが働き易い世界へ』
『何を犠牲にしても何かを信じろ』
など、

追及している価値 > 利益

の企業ではないと今後は見向きもされなくなってしまいます。

成功している企業

Z世代に向けてのアプローチに成功している企業の一例として、エアリーという会社が挙げられます。
下着メーカのエアリーは『ボディポジティブ』という考え方を表明。
痩せてて綺麗な人ばかりが広告に出ているこの世の中に疑問符を呈し、
『太ってたって大きくたって黒人だって黄色人種だって男だって女だっていいじゃない!』
そんなメッセージを含んだ広告を展開し、Z世代から圧倒的な支持を得ました。
この時反対に、美人で細身のモデルしか使っていなかった『ヴィクトリアズ・シークレット』という会社の売上が、45%もダウンしました。
『価値観を表明する!』というのは、Z世代にとってこれほどまでに強烈なインパクトを与える事ができるのです。

まとめ

時代は大きく変化していっていますね。
Z世代に対しては、はっきりと自分達の考えている事を伝える事が大切です。
『沈黙は金』なんて言葉もありますが、Z世代にとって『沈黙は悪』なのです。
『何考えてるか分からない!』は、Z世代からの信頼を完全に失ってしまいます。
『どっちでもいいから事実を教えてくれ!』
それがZ世代の価値観なのです。

こういった新しい価値観の世代の特性を理解し、自分の会社やサービスはどういうアプローチをすればいいだろうかと真剣に考えられる企業だけが、これからの時代、生き残っていけます。
Z世代を制する者が次の時代を制するのです。

今日のあなたへの質問。
「Z世代に向けて、あなたはどんな事ができますか?」
少しでも参考になったら嬉しいです。
それでは今日もご機嫌な一日を!

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