永井孝尚の「マーケティング初心者でもわかる」100円のコーラを1000円で売る方法【マーケティングとは何か簡単に理解したい】

100円のコーラを1000円で売る方法 マーケティング
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今日は「100円のコーラを1000円で売る方法」についてです。

マーケティングってどういう事なの?
・マーケティングとは?と聞かれて答えられない。
・マーケティングについて1から学んでみたい。

そんなあたなたにお薦めの本です。

この本は元日本アイ・ビー・エム商品プランナーの永井孝尚さんの本です。

あなたは100円のコーラを1000円で売っている人がこの世の中にいると思います?
実は・・・いるんです。
ネタバレになるのでここには書きませんが、ある方法を使って量販店では100円もしない50円とか60円で売っているあのコーラを1053円で売っている会社があるのです。
考え方としてはモノを売るのではなくコト(顧客体験)を売るという考え方です。

この本、実はマーケティングの本なのです。
マンガ版も1巻~3巻まで出ており、初心者にもとても分かりやすい内容になっているので、これからマーケティングを始めたいけど何から勉強していけばいいの?と思っている方にはぴったりの本です。

この本のテーマは「顧客中心主義への回帰」です。

僕がとても勉強になったなぁと思った考え方は以下の5つです。
1.事業の定義
2.顧客満足度の考え方「顧客の言いなりは満足度0点」
3.バリュープロポジション
4.コミュニケーションの戦略的一貫性
5.イノベーター理論とキャズム理論

順番に見ていきたいと思います。

事業の定義

アメリカの鉄道会社は自分たちの事業を「鉄道事業」と考えていました。
そのため、他の多くの輸送事業(バス会社や航空会社等)を行っている会社に顧客を奪われても何の対策も打ちませんでした。
そして段々と業績が悪化していき、衰退していってしまいました。

一方顧客志向の事業の定義をしている会社は違います。
「鉄道事業」ではなく「輸送事業」と定義づけしていた会社は、お客さんをより早く、より快適に目的地へ届ける方法はないかと試行錯誤し、自社の事業を変化させていきました。

自社の事業をどのように定義づけるかというスタート地点の違いだけで、成長していくか衰退していくか明暗が分かれてしまう事もあるんだとか。

顧客満足度の考え方「顧客の言いなりは満足度0点」

お客様のご要望通りの提案をお持ちしたとします。
その場合顧客満足度は何点になるでしょうか。

お客様の満足度の方程式
[顧客が感じた価値] ー [事前期待値] = [顧客満足度]

100 ー 100 = 0点

なんと、ご要望通りの御提案をお持ちしてもお客様の満足度は0点なんだそうです。ガーン。。。
とにかくお客様の言う事は絶対!お客様が「カラスは白いのよ!」って言ったら白と思っていた人(そんな人今どきいませんかね。。。)にとっては青天の霹靂ですね。
お客様の事前期待値を少しでも上回らないと満足度は0点なんだそうです。
これは本当にそうだと思います。
要望通りの提案書持っていったのに「ごめんなさい」って言われる事ありましたもんねー。。。
「そういう事だったのか!?」と納得の解説でした。

バリュープロポジション

バリュープロポジションとは「ターゲットとなる顧客が価値を認めて買う理由」です。
①顧客が望んでいて
②ライバルが提供できなくて
③自社が提供できる価値
この3つがクロスする部分です。

ここを突き詰めていく場合、時には顧客の要望を切り捨てる必要もあります。

例えば多くのテレビリモコンはボタンがいっぱいあるのに対して、アップル社が販売しているアップルTVのリモコンはボタンが3つしかありません。
アップルTVは顧客の言いなりにはならず使い勝手を追求し、シンプルで使い易いリモコンを提供している事で顧客から選ばれています。

コミュニケーションの戦略的一貫性

2005年、小泉首相の時に「クールビズ」が流行りました。
しかし実はその26年前、1979年に同じような取り組みがあったのをご存じでしょうか。
「省エネルック」です。
こちらも大々的にキャンペーンが行われたのですが国民の間では全く広がりませんでした。
「クールビズ」と「省エネルック」、何が違ったのでしょうか。
それがコミュニケーションの一貫性です。

コミュニケーションが戦略的に一貫しているか?

ターゲットの明確化(ビジネスパーソン)

目的の明確化(着てみたいという共感→定着)

コミュニケーションの設計(かっこよく温暖化防止)

チャネルの選択(多様なチャネルの組み合わせ)

予算設定(3年で80億円:環境省予算)

コミュニケーションミックスの設定(多様なメディアに予算配分)

「省エネルック」は当時の大平首相が着てマスコミを通じてPRしましたが、
その姿があまりにもダサく、ターゲットのビジネスパーソンに受け入れられませんでした。
一方「クールビズ」の方はカッコいい役者さんたちがクールビズを来たCMが大々的に放送され、ターゲットのビジネスマンたちの心を掴みました。

ある経営者の方は、自社の広告を出すのに世の中の社長にアプローチしようと考えました。
社長はよくタクシーやグリーン車に乗るので、その2カ所に絞って広告を打とうと考え、大当たりをしていました。

ターゲットを定め、そのターゲットにどういう風に感じてもらうためにどういったアプローチをするか?
このあたりの戦略がぐちゃぐちゃだと、伝えたい事が伝わらず結果的にダメダメな広告戦略になってしまうそうです。

イノベーター理論とキャズム理論

新商品が普及していく際、まず「リスク歓迎型」のお客さんが買ってくれて、その後「リスク重視型」のお客さんが買っていってくれます。
まだ商品が新しく、誰も知らないうちに取り入れてみたいと思うお客さんは全体の16%しかいません。
まずは「リスク歓迎型」のお客さんに売り込んで、その後「リスク重視型」のお客さんに広げていくという流れが大切です。
また、「リスク歓迎型」のお客さんに対するコミュニケーションと「リスク重視型」のお客さんに対するコミュニケーションは全く違います。
「リスク歓迎型」のお客さんには「まだ誰も使っていないうちがチャンスですよ?」とアプローチ。
「リスク重視型」のお客さんには「そろそろ導入しておかないと他社に置いて行かれますよ。」といったアプローチですね。

「リスク歓迎型」と「リスク重視型」をもう少し細かく分けると以下のように分類されます。
上の2つが「リスク歓迎型」です。
イノベーター 2.5%
アーリーアダプター 13.5%
——–キャズム(普及の谷)
アーリーマジョリティ 34%
レイトマジョリティ 34%
ラガード 16%

「キャズム理論」とは普及率が16%の谷を超えると、その商品は一気に市場に受け入れられていくという理論です。
逆に16%の谷を越えられないとその商品は市場に受け入れられずにこの世から姿を消していきます。

今まで長い事、営業をやっていましたが、こんな事まで考えてませんでした。
マーケティング恐るべし。。。

新しくマーケティングをやる事になった方も営業マンの方にとってもこの本は色んな気づきを与えてくれる本だと思います。
マーケティング思考を身に着ければ「できるビジネスマン」間違いなしですね。

今日もご機嫌な一日を!

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