起業や副業に興味がある「凡人」こそ読むべき一冊。行動・仕組み・顧客視点で人生は変えられる。
「才能がないから無理」と思っている人に贈る、実践型ビジネス書
「本を読めば人生が変わる」そんな言葉に共感したことはありませんか?
今回紹介するのは、楽天やヤフーの改革を主導し、自らも起業家・投資家・教育者として活躍する【小澤隆生】さんの著書『凡人の事業論』。
タイトルにある“凡人”という言葉に胸を打たれた方も多いはずです。
本書は「特別な才能がない人」こそ、読んで欲しい。
小手先のテクニックではなく、地に足のついた「成功の型」を提示してくれる一冊です。
著者・小澤隆生とは?|凡人から成り上がったリアルビジネスマン
小澤さんは、早稲田大学卒業後に起業。
創業した会社「ビズシーク」は楽天に買収され、楽天執行役員へ。その後、ヤフーに移り「Yahoo!ショッピング」の無料化など大改革を断行し、業界に大きなインパクトを残しました。
現在は、ソフトバンク傘下で経営に携わる一方、若者への教育支援や講演活動などにも力を入れています。
テレビ番組『マネーの虎』への出演歴もあり、その発信力は多方面にわたります。
『凡人の事業論』の内容と構成|実践重視の5つの章
本書は、凡人でも再現できる「成功の型」を以下の5章で構成しています。
- 凡人でもできる「事業」の作り方
- アイデアよりも重要な「行動力」
- チームを巻き込む「仕組み化」
- 顧客視点を貫く「マーケティング思考」
- 成功し続けるための「自己投資」
小澤さんの豊富な経験に基づいたリアルなエピソードが随所にちりばめられ、読者の共感と行動意欲を引き出してくれます。
キーワード解説|成功の本質を見抜く4つの視点
事業とは「問題解決」である
「儲かるかどうか」ではなく、「誰のどんな困りごとを解決するのか?」
これが、事業アイデアの本質です。
特別なスキルがなくても、“目の前の不便”に目を向けることで、成功への第一歩が始まります。
まずはやってみる「行動力」がすべて
小澤さんは「考えるより、動け」を何度も強調します。
100回動いて、1回当たれば十分。
「完璧な準備」より「圧倒的な数とスピード」が成功を生み出す、というメッセージが全編に込められています。
「仕組み」で勝てるのが凡人の強み
優秀さではなく、誰でも再現できる仕組みをつくることで差がつきます。
- 業務のマニュアル化
- チーム運営の再現性
- 属人化しない営業モデル
一人の限界を突破する“仕組み化”こそが、凡人の最大の武器です。
数字より「お客様の顔」が見えるか?
小澤さんは「KPI」よりも「お客様の声」に耳を傾けることを重視します。
大企業でも成果を上げた彼がたどり着いたのは、「お客さんが本当に望んでいるものは何か?」を徹底的に突き詰める姿勢でした。
この本を読むと、何が変わるのか?
なぜこの本を手に取ったのか?
僕がこの本を手に取ったきっかけは本当に偶然です。
新卒の時の同期と飲みに行った日に、彼がカバンもなしに手ぶらで本を持ってきました。
飲んでいる間は預かって欲しいという事で僕のカバンにこの本を入れたところ、そんな事は忘れて解散してしまったため、朝、自分のカバンにこの本が入っていたという流れです。
折角だから返す前に読んでみようと思って読み始めたところ、あまりの面白さにぐいぐい吸い込まれていったという感じでした。
読んで印象に残ったエピソード
特に印象に残ったのは以下のワードです。
- 天才じゃなくても事業はつくれる
- 100点ではなく、51点を目指す
- センターピンと打ち出し角度を見極める
- 勝てる可能性を常に考えること
特に「天才じゃなくても普通の人でも正しい努力さえすれば勝てる。」という言葉は凡人の僕にとっても勇気をもらえる言葉でした。
経営とはどのよつに意思決定をするかであり、世に知られている成功事業の多くは既存のビジネスを改善したもの。
普通の人でも練習して経験を積めば事業家になれる。
アイディアがなくてもエクゼキューション力(執行力)さえあれば大丈夫。
逆に言うとやり続けるのが一番難しいという事ですね…。
楽天イーグルスの立ち上げ
ビジネスを始める時は360度どこに向けても走り出すことができる。
だからこそ、走り出す方向間違えてはいけない。
また、絶対に達成しなければならない最低ラインを定めて50点を取ること、何を達成するのかを簡単な言葉で明確に定義することが大切です。
実際に楽天イーグルスを立ち上げる時は「足を運ぶだけで楽しめる球場を目指す」というコンセプト(打ち出し角度)を決め、以下の分かり易い目標を決めたそうです。
- シーズン開幕日に対して試合する必要があること
- プロ野球の試合が成立するスタジアムが完成していること
- チケット売り購入したお客さんの会場で試合を観戦できること
ゴール設定は誰が見ても分かり「まぁそうだよね」という感覚がとても大事なんだそうです。
51点を取るための優先順位を明確にしたため、始球式を誰にするかなどの議論もありましたが、それは大切ではないと、正しい判断をすることができました。
また、「足を運ぶだけで楽しめる球場を目指す」というコンセプトだったので、ボックスシートを作るなどの新しい取り組みも積極的に取り入れる事ができました。
居酒屋のテーブル席に近い間隔で会話ができ、横ではプロ野球の試合を生で楽しめる。
そんな、球界の常識を覆すような取り組みができたのもコンセプトを最初にしっかり決めたからなんだそうです。
PayPayの立ち上げ
判断基準をシンプルな言葉に落とし込み、誰が聞いても納得できる言葉にする事が大切。
どんなに足の速い(能力が高い)人でも間違った方向に走り出したら、ゴールに到達できない。
逆にどんなに足遅いとでも方向されたければ、いつかはゴールにたどり着く。
だから打ち出し角度がとても大切。
Yahoo!ショッピングの時は「商品・価格・物流でナンバーワンになる」というシンプルな目標を設定。
PayPayの立ち上げの時のゴールは「現金をなくす」というものでした。
また打ち出し角度は「決済サービスを何回か使ってもらう」でした。
センターピンは「ポイント還元率を最大の20%に設定し、使える場所の数を日本で一番多くする」というものでした。
こんな人におすすめ!
- 起業に興味はあるが自信がない人
- 才能のなさを理由に挑戦を諦めていた人
- 再現性の高いビジネス思考を身につけたい人
- 小手先ではない、本質的なビジネス論を学びたい人
読んだ後には「まずはやってみよう」と、自然と行動したくなるようなエネルギーが湧いてきます。
人間の能力には大した差がない。
当たり前のことを徹底的にやることが大切。
凡人の僕たちの背中を思いっきり押してくれる珠玉の言葉が盛りだくさんの一冊です。
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