今日は森岡毅さんの『苦しかったときの話をしようか』についてです。
・これから就職活動を始めるけど、何から始めたらよいか分からない
・自分にどんな仕事が向いているのか全く分からない
・就活がとにかく不安だ!
と、これから社会人になるための就活生をはじめ、多くのビジネスマンに読んでもらいたい一冊です。
森岡毅さんって誰?
森岡毅さんは大阪のテーマパークUSJにハリーポッターを呼び込んだり、後ろ向きのジェットコースターを開発したりして、USJの業績をV字回復した影の立役者として、有名な方です。
現在は株式会社刀というマーケティングコンサルティング会社を設立し、日本の多くの企業のマーケティング戦略に関わる多くのプロジェクトを推進しています。
元々はP&G出身で、日本ヴィダルサスーンや北米パンテーンのブランドマネージャーだった方です。
P&G出身のマーケターの方は有名な方が非常に多く、マーケターだけあって、自分のブランド化が上手な方が多いですよね。
『苦しかったときの話をしようか』が出版された背景
『苦しかったときの話をしようか』という本は元々は就活時期を迎えた自分の娘さんに向けて書いた本なんだそうです。
小学校の通信簿でも苦手な事は「人と仲良くなること」と書かれ、14年間働いたP&Gの最後の上司から言われた最大の改善点も「人と仲良くなること」と言われた森岡さんは、ある日大学2年生の長女にリビングで話しかけました。
「大学を出たらどうするつもりなの?」
その質問で一気に空気が変わるリビングルーム。
その質問に上手く答えられない娘さん。
その後も連続で聞かれる森岡さんからの詰問に耐え切れなくなった娘さんがリビングから出て行ってしまう。
『娘に伝えたい事は沢山あるのに上手く口では伝えられない』
そんな葛藤の中、文章ならば落ち着いて冷静に伝えたい事を伝えられるんじゃないかと思い、就活前の娘に向けて書いた虎の巻がこの本ができた背景なんだそうです。
『苦しかったときの話をしようか』目次
はじめに 残酷な世界の希望とは何か
第1章 やりたいことがわからなくて悩む君へ
君の宝物はなんだろう
会社と結婚するな、職能と結婚せよ
第2章 学校では教えてくれない世界の秘密
そもそも人間は平等ではない
君の年収を決める法則
第3章 君の強みをどう知るか?
まずは目的を決めよう
ナスビは立派なナスビになろう
第4章 君自身をマーケティングせよ!
面接で緊張しなくなる魔法
My Brand設計の4つの要点
第5章 苦しかったときの話をしようか
劣等感に襲われるとき
無価値だと追いつめられるとき
第6章 自分の「弱さ」とどう向き合うのか
「不安」と向き合うには
未来の君へ
おわりに あなたはもっと高く飛べる
『苦しかったときの話をしようか』から学べる事
①Self Awarenessが大事
自分のことを知っている度合いを『Self Awareness』といい、日本の課題は、多くの子どもたちの『Self Awareness』が低いことなんだとか。
自分の事、とかく自分の強みを知らないと、社会での自分の活かし方も分からず、会社選びもできないのです。
『強み』は必ず好きなことの中にあります。
自分が好きなことを『~すること』という動詞として書き出してみるとあなたの強みが浮き上がってきます。
好きなことを以下の4つのカテゴリーに分けていくと、自分が『考える事』が好きなタイプなのか、『人とコミュニケーションをとる事』が好きなタイプなのか、『人を引っ張っていく事』が好きなタイプなのかが分かります。
【好きな事の4分類】
『T』Thinking
『C』Communication
『L』Leadership
『それ以外』
自分の強みが分かったらそれをマーケティングの要領で誰に・何を・どうやって伝えるかを考えます。
【マーケティングの考え方】
WHO(誰に伝えるのか)
WHAT(何を伝えるのか)
HOW(どう伝えるのか)
就活では、選べれるためにウソをつくのはいけないが『スピン』は全然OK。
全く知らない人に自分の良さを伝える訳なので、多少色をつけてオーバーに語るぐらいじゃないと伝わるものも伝わりません。
就活のファーストステップとして、自分の強みを知り、それをどのように人に伝えるかを整理する事が、とても大切です。
「貴方が人生で達成したいことは何ですか?」という質問は、就職面接でも本当によく聞かれる質問であり、それに対する答えを準備しておく必要があるのです。
②会社と結婚するな、職能と結婚せよ!
どんなに会社の事を好きになっても会社は君とは結婚できない。
だから、会社と結婚するんじゃなくて職能と結婚しなさい!と、森岡さんは言います。
スキル(職能)こそが、相対的に最も維持可能な個人財産であると。
例えば森岡さんが築き上げてきたマーケティングのスキルや、人を引っ張っていくリーダーシップは、どの会社に行っても、自分の会社を興しても普遍的に使える能力です。
社会人になってから、どの能力を伸ばしていくかという観点で、仕事を選んでいく方がいい!
というのが、森岡さんの考えです。
③失敗しない人生そのものが、最悪の大失敗ではないのか?
『資本主義とは、無知であることと、愚かであることに、罰金を科す社会のこと』
残酷な事実ですが、今の資本主義社会は勉強しないと、騙される側に回ってしまいます。
まずは資本主義とは何かについてしっかりと理解しましょう。
そして、自分の強みが全く活かせない職能についてしまっては不幸ですが、『不正解以外はすべて正解』と考え、まずはキャリアをスタートさせてみる。
どんなに大学で優秀だった人でも、就職すると最後尾からのスタートになります。
『こんな仕事を選んで失敗だった!』と思う事なんて日常茶飯事です。
周りの人と比べるのではなく、
「今日の自分は何をどう学んで昨日よりも賢くなったか」
という視点で社会人生活を始めるとよいと、森岡さんは娘さんに伝えています。
『苦しかったときの話をしようか』まとめ
年収1千万円でも今では楽に暮らせない時代になりました。
昔で言う年収1千万円の暮らしをしようと思ったら今だと2千万円ぐらい稼がないといけない時代です。
昔も今も転職した人の一番多い本音は『職場での人間関係によるストレスから逃れるため』なんだとか。
悩んだ末に選んだキャリアをスタートさせても、問題は次から次へと押し寄せてくるでしょう。
そんな世の中ですが、森岡さんは、『この世界は残酷だ。しかし、それでも君は確かに、自分で選ぶことができる!』という言葉を今の若い人たちに向けて発信しています。
今日のあなたへの質問
「何も失敗しなかった人生を送りたいですか?」
失敗したっていいじゃない!
考え過ぎずに社会に飛び込んでみよう!
と、就活に向けて、ド直球でエールを送ってくれる一冊です。
僕も就活を始める前にこの本を読んでみたかった!
少しでも参考になったら嬉しいです。
就活で悩んでいる方にはこちらのブログもおすすめです。
それでは今日もご機嫌な一日を!
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