【書評・要約】『子どもを否定しない習慣』林健太郎|自己肯定感を育む子育ての秘訣とは?

子どもを否定しない習慣 子育て
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子どもが言うことを聞かない
怒りたくないのに、つい声を荒げてしまう
褒め方や叱り方がわからない

そんな悩みを持つ親にこそ読んでほしい一冊が、林健太郎著『子どもを否定しない習慣』です。本書は、日々の子育ての中で「否定しない」習慣を身につけ、子どもの自己肯定感を育てる方法を丁寧に解説しています。

この記事では、書籍の要点と実践的なヒントをわかりやすくまとめました。


書籍情報

  • タイトル:子どもを否定しない習慣
  • 著者:林健太郎(エグゼクティブ・コーチ/2児の父)
  • 出版社:フォレスト出版
  • 発売日:2024年8月
  • ページ数:256ページ

なぜ「否定しない」ことが大事なのか?

親が子どもに対して無意識に発する否定的な言葉──「まだできてないの?」「なんでそんなことするの?」──これらは子どもの自己肯定感を傷つけ、行動意欲を奪う要因になります。

著者はこう語ります。

「否定」は一瞬で伝わり、「信頼」を長期間かけて失わせます。

つまり、どれだけ愛情をもって接していても、たった一言の否定が親子関係を壊すことがあるということです。


否定しない習慣で得られる7つの効果

本書では、「否定しない子育て」を通じて得られる効果が以下のようにまとめられています:

  1. 自己肯定感・自尊心が育つ
  2. 自分に自信が持てるようになる
  3. 新しいことにチャレンジしやすくなる
  4. ポジティブな思考や言動が増える
  5. メンタルが安定しやすくなる
  6. 親子の会話が増え、信頼関係が深まる
  7. 家庭の雰囲気が明るくなる

まさに、「否定しないこと」は家庭全体の心理的安全性を高める“投資”といえるでしょう。


否定しないための具体的な言葉がけ・行動

まずは「否定している自分」に気づくことから

人は反射的に「ダメでしょ!」「何回言ったらわかるの!」と口にしがちです。本書では、否定を防ぐために次のような方法が提案されています。

  • 2秒ルール:子どもの言動に対し、即反応せず2秒待つ
  • 言い換えの習慣「なんでできないの?」「どうしたらうまくいくかな?」
  • 承認ワードを使う「ありがとう」「助かるよ」「さすがだね」など

子どもが行動しやすくなる「伝え方」の工夫

叱るべき時にも、「否定せずに伝える」方法はあります。

NG表現OK表現(本書推奨)
「いい加減にしなさい!」「◯◯してくれると嬉しいな」
「何でいつもこうなの!」「こうしてもらえると助かるよ」
「うるさい!」「今は静かにしてくれる?」

こうした**リフレーミング(言い換え)**の力は、親子の摩擦を減らしつつ、指示も通りやすくなる効果があります。


否定しない夫婦関係・家庭環境の重要性

著者は「家庭はチーム」であると強調します。夫婦の関係性が安定していないと、子どもは無意識に不安を感じます。

特に重要なのは以下の3点:

  • パートナーへの否定的な言動を減らす
  • 夫婦間でも感謝や承認の言葉をかけ合う
  • 家庭内で「安心できる空気」を意識的に作る

子どもとの信頼関係を築く「聞き方」のコツ

否定しない習慣は、「聞き方」にも大きく影響します。本書では、次のような聞き方が紹介されています。

  • 遮らず最後まで聞く
  • うなずき・相づち・オウム返しを使う
  • 「どう思う?」と子どもに考えを促す

親が「あなたの意見を大切に思っている」と伝えることで、子どもは安心して自分を出せるようになります。


自分を否定しないセルフマネジメント

「つい怒ってしまった…」と自己嫌悪に陥る親も少なくありません。本書では、まず親自身が自分を否定しないことの大切さにも触れています。

  • 完璧な親を目指さない
  • うまくいかない日はリセットする
  • 小さな成功体験を積み重ねる

親のメンタルの安定こそが、子どもへの安心感にもつながります。

子どもを否定しない習慣を読んだ感想

親は変えられない

ドキッとしたのは、子どもが生まれてから20年前後は、親子関係がどんなものであっても、解消するという選択肢のない濃厚な関係が続く」という文章でした。

つまり、子どもはどんなに嫌でも20年間、親を取り換える事はできないのです。

親ガチャなんて言葉もありますが、子どもが成人した後に、自分の親はハズレだったなぁと思われないように、改めて日々の言動を見つめ直さないといけないなと感じました。

悪意があって否定しているのではない

また、つい、子どもを否定してしまうのは悪意ではないという言葉も気になりました。

「子どものためを思って」「子どもの将来のため」という美名のもと、多くの親が、否定することを辞められない状態になっているんだそうです。

ビジネスの世界でもそうですが、否定が続くと自己肯定感が落ちて、萎縮していきます。

自信を失い、自分で考える事をやめてしまいます。

自分から言葉を発する事も少なくなり、チャレンジする事もなくなってくるそうです。

否定・指示・命令が当たり前になると「自分で考えるより親に言われた事を黙ってやった方が楽」という思考に陥ってしまうんだそうです。

トラウマにまでなってしまうと、「どうせ僕なんて…」という思考になってしまいます。

じゃあどうすればいいのか?

まずは子どもの気持ちを理解しようと努力する事です。

「否定」の反対は「理解」

「なんで今、宿題をやりたくないの?」と、ストレートに聞いてみましょう。

そうすると子どもはいろんな事を話してくれます。

「今日は学校で嫌な事があったからあんまり宿題をやる気にはならない…。」とか。

その時は、それを真っ向から否定するのではなくまずは理解してあげましょう。

覚えておきたい原則

  • 原則1.人は、他人から「やれ」と言われるとやりたくなくなる
  • 原則2.人は、他人が決めたことよりも、自分の決めたことをやる

なので、「飛行機遊びなんてやめて、すぐに宿題をやりなさい!」

ではなく、

「あと何機飛ばしたら、宿題始められそう?」

と、自分で決められるように促してあげましょう。

自分がハッピーな状態で過ごすこと

    一番大切なのは自分がハッピーな状態でいること」

    親が我慢して、親がイライラしての状態だと、その状態が子どもに伝染します。

    親が子どもの話をしっかり聞いてあげて承認してくれる親だと、子どもも友達の話を同じように聞いてあげられる子に育ちます。

    反対に否定ばかりしている親だと、子どもも自然と友だちを否定する子に育っていきます。

    親の雰囲気や言動・振る舞いは、少なからず子どもの生き方に影響します。

    まずは自分が日々ご機嫌で、幸せな気分で過ごせる方法を改めて考えてみてはいかがでしょうか。


    まとめ:否定しないだけで、子育てはぐんと楽になる

    『子どもを否定しない習慣』は、ただの育児ハウツー本ではありません。親の「在り方」や「言葉の力」を見つめ直す哲学的な一冊でもあります。

    今日からできることはたくさんあります。

    • 怒る前に2秒待つ
    • 「ありがとう」と伝える
    • 否定的な言葉をポジティブに言い換える

    たったそれだけで、子どもは変わります。そして、自分自身の気持ちもラクになっていきます。

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