『いつでも会社を辞められる自分になる』(黒田真行著)は、変化の激しい現代社会において、会社に依存せず自律的にキャリアを築くための指南書です。
リクルートで30年以上にわたりキャリア支援に携わった著者が、ミドル世代を中心に、どのように市場価値を高め、主体的にキャリアを選択していくべきかを具体的に解説しています。
書籍情報
- タイトル:いつでも会社を辞められる自分になる
- 著者:黒田 真行
- 出版社:サンマーク出版
- 発売日:2025年4月25日
- ページ数:177ページ
本書の概要と主な内容
ミドル世代の転職市場の現実
著者は、35歳を過ぎると転職市場での求人数が急激に減少し、45歳を超えるとさらに厳しくなる現実を指摘しています。
これは、企業が求めるスキルセットの変化や、年齢構成のバランスを考慮した結果であり、特にホワイトカラーのミドル世代にとっては深刻な問題です。
また、AIやデジタル技術の進展により、定型的な業務が自動化され、これまでの経験やスキルが通用しなくなる可能性も高まっています。
そのため、常に自分の市場価値を意識し、スキルの棚卸しを行うことが重要です。
「株式会社じぶん」の考え方
本書では、自分自身を「株式会社じぶん」と捉え、会社に依存せず、自らの価値を高めていくことの重要性が説かれています。
具体的には、以下のような行動が推奨されています。
- 自己紹介の工夫:名刺交換の際に「自分の名前+会社名」と紹介することで、自分が主体であることを意識する。
- ピボット思考:バスケットボールのピボットのように、軸足を固定しつつ柔軟に方向転換できる働き方を目指す。
- 利他性の追求:他者のために行動することで、偶然のチャンスや新たな出会いを引き寄せる。
これらの考え方を実践することで、会社に依存せず、自律的にキャリアを築く力が養われます。
自己分析とスキルの棚卸し
著者は、自分のスキルや経験を以下の3つの視点で分析することを提案しています。
- 縦横(バーティカル/ホリゾンタル):特定の業界に特化したスキルか、複数の業界で通用する汎用的なスキルかを見極める。
- 需給:そのスキルに対する市場の需要と供給のバランスを評価する。
- 傾き:将来的にそのスキルの需要が増加するか減少するかのトレンドを把握する。
また、自分の働き方の特性を「仕組みを作る/運用する」「個人で成果を出す/組織で成果を出す」の2軸で分析し、自分に合ったキャリアパスを見つけることが重要です。
キャリア転身の具体的戦略
本書では、転職活動や独立を成功させるための具体的な戦略も紹介されています。
- 職務経歴書の作成:過去の職務内容を羅列するのではなく、自分がどのような価値を提供できるかを明確に示すプレゼンテーション資料として作成する。
- 面接でのアプローチ:受け身で質問に答えるのではなく、企業の課題を把握し、自分の経験を活かした解決策を提案する。
- 副業の活用:自分のスキルが市場で通用するかを試す場として副業を活用し、将来的な独立や起業の準備を進める。
これらの戦略を実践することで、自分の市場価値を高め、キャリアの選択肢を広げることが可能になります。
読者の声
読者からは、「将来のキャリアを前向きに考えるための必読書」「具体的なアドバイスが多く、実用的」といった高評価が寄せられています。
特に、35歳以上のミドル世代にとって、今後のキャリアを見直すきっかけとなる一冊として支持されています。
読んで印象に残った言葉
もしご自身が採用責任者だったら、あなた自身をいくらの年収で採用しますか?
この視点がないとまず転職なんて上手くいかないのでは?と思った言葉です。
- 過去にこんな年収をもらっていました。
- こんなポジションで活躍してました。
- MVPを取りました。
は、正直関係ない。
この会社でどんな貢献ができるのか?が大切、それを証明する必要がある。
まずは身近な転職経験者に相談してみる事
もしもう一度転職するとしたら次はどうするか?
今からもう一度転職する場合は?
以前辞めた時(数年前)の場合は?
あなたが今の私の立場だったら?
と聞いてみるとよいとの事でした。
あまり条件にこだわり過ぎて年収1000万が時給1000円の仕事に
これは実際にある話だそうで、今の自分の実力を見誤って、世間の感覚とズレた条件にこだわりすぎると最終的には時給1000円のアルバイト勤務しかできないなんてことも。。。
満足度の高い転職ができる人のこだわり
満足度の高い転職ができる人のこだわりは本当に最低限のことだけだそうで、どんな権限があって、どんな決裁権があるのか。
つまりは自分が力を発揮できる環境かどうかの確認をしっかりとするんだそうです。
逆に自分の力を十分に発揮できない環境は?
こんな質問を自分自身に投げかけて考えてみるとよいそうです。
とどのつまり、問われるのは「人柄」
結局うまくいくのは素直な人、腰が低い人、丁寧な人、会話をしていて、気持ちいい人なんだとか。
明日、経済誌の記者から、日本の雇用はどんな展望か?と取材されたら答えられるか?
もし、こんな質問をされたらあなたはなんと答えますか?
- いや、私は採用広告を売っているだけですから
- ウェブ広告の金額しかわかりません
- そんな大きな話はわかりません
こんな事を言っているようでは、信用されません。
友達から転職相談を受けた時にアドバイスできるか?
プロとしてやってきたのであれば、自分の守備範囲以外でも広い範囲でスラスラと、話せるようになる必要があります。
人生100年時代
20代から70代まで働くとしたら約50年働く事になります。
40代、50代から180度違うキャリアを歩む手もあります。
あなたは、どんな人生、キャリアを築きたいですか?
『いつでも会社を辞められる自分になる』まとめ
『いつでも会社を辞められる自分になる』は、変化の激しい現代社会において、会社に依存せず、自律的にキャリアを築くための具体的な方法を提供しています。
自己分析やスキルの棚卸し、キャリア転身の戦略など、実践的な内容が豊富に盛り込まれており、特にミドル世代のビジネスパーソンにとって必読の一冊です。
今後のキャリアに不安を感じている方や、自分の市場価値を高めたいと考えている方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。
コメント