今日は医師、池井佑丞さんの「燃え尽きさん」の本についてです。
・最近元気が出ない。
・あんなにやる気のあった仕事に気持ちが入らない。
・うつ病かなぁ。
と、もしかしたら自分は燃え尽き症候群なのではないか?
もしくは、職場に燃え尽き症候群っぽい人がいてどう接したらいいか分からない!
と、感じている方におすすめの一冊です。
燃え尽き症候群とは?
一言でいえば、仕事などを頑張ってきた人が、まるで火が消えてしまったかのように、仕事への意欲・関心をすっかり失ってしまう状態の事。
別名「バーンアウト」とも呼ばれます。
社会が高度に情報化し、SNSで24時間繋がってしまう時代になり、以前よりも対人ストレスが増える世の中になった結果、今、燃え尽き症候群の人が非常に増えているのです。
燃え尽き症候群の3つのタイプ
燃え尽き症候群には大きく分けて以下の3つのタイプがあると言われています。
【3つのタイプ】
①「燃えすぎ」さん
②「燃え切らない」さん
③「燃えない」さん
仕事などで充実感をもって前向きな気持ちで頑張れている状態の時は、以下の3つのバランスがとれている時です。
火種・・・やる気や意欲、頑張る理由
薪・・・具体的な行動やペース配分
酸素(環境)・・・人間関係や業務の負荷
燃え尽き症候群は3つのうちのどこかに問題があり、上手く燃える事ができない状態です。
①「燃えすぎ」さん
例えば重要なプロジェクトを無理をしながらやり切り、エネルギーが枯渇してしまった状態の人の事を指します。
火種は十分にあったのですが、薪をくべすぎてしまい、燃え尽きてしまったパターンです。
②「燃え切らない」さん
火種はあるのですが、環境があっていないため、空回り。
頑張っているのに評価されない(十分な酸素が供給されない)ため、燃え切れないパターンです。
③「燃えない」さん
自分の仕事に意義を見出せず、まったく燃えられていない状態。
希望の職種につけなかった、希望の部署に配属してもらえなかったなどの理由が多く、最近の若い世代にはとても多いケースです。
火種(やる気)がなく、燃えることができないパターンです。
メンタル不調になりやすい個人の性格
メンタル不調になりやすい人には以下の3つの特徴があります。
【メンタル不調になりやすい人の3つの特徴】
①真面目
②生真面目
③気遣い
①真面目
完璧主義の人や責任感の強い人
②生真面目
不条理なことや理不尽なことに敏感で、正義感の強い人
③気遣い
仕事の負荷が高いときでも「大丈夫?」と聞かれて、「大丈夫です」と答えるタイプ
俗に言う『いい人』ほどメンタル不調やうつ、燃え尽き症候群になりやすいのです。
そこそこ不真面目なぐらいじゃないと、この現代社会を生き抜くのは難しいとも言えますね。
人間の行動やモチベーションの元
上手に燃えるためには以下の「正しい4つの理由」が必要です。
【人間の行動やモチベーションの元】
①欲望
②理想
③信念
④恐怖
理由がないと人は頑張れません。
ただし、欲望まみれになったり、極度に恐怖を感じている状態では、うつ病まっしぐらです。
①~④の理由をバランスよく整えていく事が大切です。
「やりたいこと」「やるべきこと」「やらないこと」
モチベーションを上手に維持していくためにはペース配分(薪)が大切です。
そのために以下の3つを決めてしまいましょう。
「やりたいこと」
「やるべきこと」
「やらないこと」
特に「やらないこと」を決める事。
これはめちゃくちゃ大事です。
現代人はとにかくやらなくてもいい事に忙殺されています。
上司からの行きたくな飲み会の誘いは断ってっていいんです。
「やらないこと」を決めて、エネルギーのムダ使いを防止しましょう。
パワーハラスメント
平成28年度の個別労働紛争の相談件数の「いじめ、嫌がらせ」は7万件を超え、解雇や退職勧奨といった他の相談を大きく上回っているのをご存じですか?
2020年6月、パワハラについての規定を追加した通称「パワハラ防止法」が施行されました。
(中小企業は2022年4月から施行)
この法律では、パワハラを次のように規定しています。
①優越的な関係を背景とした言動
②業務上必要かつ相当な範囲を超えている
③労働者の就業環境が害される
いつの時代も転職理由の第一位は職場の人間関係です。
パワハラ発言が日常化している職場であれば、今すぐ改善が必要です。
うつ病などのメンタル疾患の注意すべきサイン
こんな症状が出始めたらメンタル疾患の可能性が高いです。
遅刻、早退、欠勤が増える
休みの連絡がない(無断欠勤)
残業、休日出勤が不釣り合いに増える
仕事の能率が悪くなる。思考力・判断力が低下
業務の結果がなかなか出てこない
報告や相談、職場での会話がなくなる
表情に活気がなく、動作にも元気がない
不自然な言動が目立つ
ミスや事故が目立つ
服装が乱れたり、衣類が不潔であったりする
燃え尽き(うつ)を見分ける2つの質問
彼(彼女)が燃え尽き症候群じゃないかと思ったら以下の2つの質問をしてみるとよいです。
「よく眠れている?」
「休みはどんなことをしていた?」
燃え尽きの人はあまり眠れていない事が多いです。
そして意欲もなくなっているので以前のように休みの日に活発に活動していない事が多いのです。
メンタルが弱っている人に「かけたい5つの言葉」
メンタルが弱っている人に「かけたい5つの言葉」がこちら。
①大丈夫ですか?(心配)
②それはつらいですね(共感)
③いつでも相談に乗るよ(サポート)
④まずは休みましょう(休養)
⑤それじゃあクリニック(or産業医)に行ってみましょうか(受診)
メンタルが弱っている人に「言ってはいけない5つの言葉」
逆にメンタルが弱っている人に「言ってはいけない5つの言葉」がこちらです。
①そうなんですね、でも~
②わかるわかる、実は僕(私)も~
③なんででしょう?どうしたらいいですか?
④気分転換に~
⑤〇〇すべき
弱っている人に「頑張って!」と言うのはご法度!
というのはよく聞きますが、上記の5つの言葉も要注意です。
例えば「気分転換に~」という言葉も気分転換ができてたらこんな状態になってない!というのが本人の気持ちです。
なんでなのか?どうしたらいいか分からないからうつ状態なのです。
『心配→教官→サポート→休養→産業医』
という流れで、プロ(先生)に相談するのが一番です。
素人の僕たちが、手を出すのは大変危険です。
社員のやりがい・モチベーションを高めるポイント
会社として燃え尽き症候群の社員を増やさないためにできる事が以下の3つです。
①会社のビジョンが明確化どうか(火種)
②評価制度が整っているかどうか(薪)
③心理的安全性が高いかどうか(環境)
火種:やる気や意欲、頑張る理由を確認し、
薪:具体的な行動やペース配分を手助けし、
酸素(環境):人間関係や業務の負荷をちょうどよく調整していく。
そんな環境づくりが、今の会社には求められています。
まとめ
最後は、社員が燃え尽き症候群にならないよう、会社はどういった制度を整えるべきかといった話にもなりましたが、燃え尽き症候群やうつ病の問題は決して他人事ではありません。
真面目に一生懸命働いていた人がある日、急になってしまう事もあるのです。
逆に、真面目に一生懸命働いてきた人の方が、燃え尽き症候群になる可能性が高いのです。
燃え尽き症候群にならないポイントは、
『よく寝て、よく働き、よく遊ぶこと』
そして真面目に考えすぎない事。
多少不真面目でも、適当でもOK。
僕たちはもっと気を抜いて生きてもいいのかもしれませんね。
今日のあなたへの質問。
「あなたの『やりたいこと』『やるべきこと』『やらないこと』はなんですか?」
少しでも参考になったら嬉しいです。
それでは今日もご機嫌な一日を!
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